さまざまな資格や許認可がありますが、飲食店開業における必須資格はたった2つ!必須ではないけれど、持っていることでお店の信頼度アップやコンセプト強化に繋がる資格もあります。開業前の忙しい時期に慌てることのないよう、どんな資格や許認可が必要なのか確認してみましょう。

飲食店開業に必要な資格
飲食店を開業するために必要な資格は以下の2つです。
⚫️ 食品衛生責任者
原則的には『養成講習会』を受講して資格を取得 します。ただし、以下に該当する場合には講習会の受講は免除されます。
〇既に以下の資格を持っている場合
栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、衛生管理責任者、作業衛生責任者、船舶料理士、食品衛生管理者
〇適正と認められている講習会の受講を修了している場合
また、医師や獣医師、歯科医師、薬剤師も上記の要件を満たすため、食品衛生責任者の受講が免除されます。
<受講資格>
経験や学歴は問わず受講できます。年齢は17歳以上(高校生は受講不可)であれば受講可能。海外の方の場合は日本語の読み書きや会話が可能であれば受講することができます。
<受講方法>
以下の2つの形式から選ぶことができます。
◯ 直接会場で受講する『会場集合型養成講習会』
・食品衛生学や公衆衛生学、食品衛生法や食品表示といった内容について、6時間ほどかけて学ぶ
・講習会修了後、その場で修了証が交付される
◯ オンライン形式の『eラーニング型養成講習会』
・食品衛生学や公衆衛生学、食品衛生法や食品表示といった内容について、6時間ほどの学習ビデオをもちいて30日以内に視聴学習する
・修了証は、講習会修了後10営業日以内に自宅へ郵送される
<受講料>
『養成講習会』を開催している各地の食品衛生協会によって若干異なりますが、おおむね10,000円前後、高くて12,000円程度です。
⚫️ 防火管理者
店舗の座席数だけでなく、従業員も含めた収容人数が30名以上の場合には「防火管理者」を設置しなければなりません。店舗の面積によって取得すべき資格が異なり、講習会の日数や受講料も若干異なります。
<講習会の日数・受講料>
◯ 延床面積が300㎡未満の場合
資格の名前 : 甲種防火管理者
講習会の時間 : 2日間で約10時間
受講料 : 8,000円
◯ 延床面積が300㎡以上
資格の名前 : 乙種防火管理者
講習会の時間 : 1日で約5時間
受講料 : 7,000円
オンライン講習会は修了証再交付の場合のみで、新規交付の場合は講習会場へ直接訪問して受講します。いずれも講習終了後にその場で修了証が交付されます。
講習会の開催スケジュールや申し込み方法など詳細は、一般社団法人日本防火・防災協会(https://www.n-bouka.or.jp)や最寄りの消防署の情報をご確認ください。
飲食店に関するさまざまな資格
上記の必須資格の他にも、飲食店に関連するさまざまな資格があります。
⚫️ 調理師免許
調理に関する専門的な知識と技術を持つことを証明する国家資格です。”調理師” として働くために必要な資格です。調理師養成施設を卒業するか、実務経験を積んで調理師試験に合格するか、いずれかの方法で取得することができます。
⚫️ 製菓衛生師
製菓に関する専門的な知識と技術を持つことを証明する、製菓衛生師法で定められた国家資格です。都道府県知事が行う製菓衛生師試験に合格することで取得することができます。
⚫️ 食品衛生管理者(※1)
必須資格の「食品衛生責任者」と似ている名前ですが、「食品衛生管理者」は “食品や添加物を製造・加工する施設” において衛生管理をおこなうことができる国家資格で、飲食店開業における必須資格ではありません。
⚫️ ソムリエ
ワインやその他のアルコール飲料の専門家で、レストランなどで顧客の要望に合ったワインや飲料を選ぶ手助けをする職業です。広義には、飲食サービス業全般に従事する人も指します。日本ソムリエ協会(JSA)が認定する「ソムリエ」や「ワインエキスパート」といった資格があり、民間資格ではありますが高い専門知識とサービス能力が求められます。
⚫️ フードコーディネーター
「食」に関する幅広い知識と経験をもち、メニュー開発、テーブルコーディネート、飲食店のプロデュースなど、「食」に関するさまざまな場面で活躍しています。フードコーディネーターを名乗るために必須の資格はなく、日本フードコーディネーター協会が実施する資格試験を受験する他、専門学校や大学で専門知識や技術を得たり、飲食店や食品メーカーなどで実務経験を積むという方法があります。
これらの資格は飲食店開業において必須ではありませんが、持っていることで「お店の信頼度アップ」や「コンセプト強化」に繋がることもあります。
また、調理に関わる資格の他にも「接客サービスマナー検定」など接客に関する知識が得られる資格もあります。
必要な届出、許認可
⚫️ 営業許可申請書
店舗での販売に限らず、委託販売やキッチンカーでの販売など、食品を扱うすべての飲食店において必須の届出が『営業許可申請』です。申請には、上記で紹介した「食品衛生責任者」の資格が必要になります。
届出先 : 保健所
時 期 : 店舗完成の10日〜2週間前まで(店舗工事の着工前に保健所へ事前相談しておくと安心です)
⚫️ 防火対象物工事等計画届出書
居抜き物件やスケルトン物件を工事して店舗にする場合に必要になります。
届出先 : 消防署
時 期 : 工事を始める7日前まで
⚫️ 防火対象物使用開始届出書
新築・増改築の工事をする場合や、既存物件の用途を変更して新たに使用し始める場合に必要な届出です。例えば、自宅の一角をリフォームして飲食店を始める場合、物件の用途として「居宅」に「店舗」が加わります。ほぼ全ての飲食店が対象となる届出です。
届出先 : 消防署
時 期 : 工事を始める7日前まで
⚫️ 火を使用する設備等の設置(変更)届出書
火を使用する設備を設置する場合に必要な届出です。
火を使用する設備の例:炉・厨房設備・温風暖房機・ボイラー・給湯湯沸設備・乾燥設備・サウナ設備・ヒートポンプ冷暖房機など
届出先 : 消防署
時 期 : 設置工事開始の7日前まで
この他にも、飲食店の営業内容によっては以下のような届出が必要になります。
- 深夜における酒類提供飲食営業開始届出書
深夜(午前0時から午前6時)に酒を提供する場合 - 風俗営業許可
「客の接待をして客に遊興または飲食をさせる営業」や「営業所内の照度を10ルクス以下として営むもの」など細かな定義に該当する場合
資格取得や許認可の申請には、時間も労力も必要です。限られた時間の中でのやるべきことの多さに、焦ってしまうこともあるかもしれません。無料の起業相談窓口や保健所や消防署などに相談することで漏れや遅れの発生を防ぐことができますし、安心感も得られるかと思います。手間のかかる作業ではありますが、ひとつひとつクリアしつつ、事業スタートの日に向けて準備を整えていきましょう。

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